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例えば、こんな...
第6章 バレンタイン企画
切羽詰まった顔で見詰めてきた真純。『子どもを産んで?』と伝えた途端に泣き出した……
思い出すと胸が熱くなる。

目を覚ましたら、何から話そうか。

俺自身自覚したはのさっきだし、色々すっ飛ばしてやらかした訳だけど……
真純の事はちゃんと真面目に考えたい。

髪をすいていた手を布団の中へ滑らせた。滑らかな肌を伝い、下腹部にそっと掌を乗せる。

温かい……

ここに新しい命が宿るかもしれない。そう思うと自然と口元に笑みが浮かんだ。

生涯を共にありたいと思う。
新しい命を育みたいと思う。

どちらも真純と再会しなければ、持ち得なかった願い。
こんな風に思わせてくれた真純に、感謝してる。

上体を起こし、額にそっと口づけた。

ただひたすらに真純の事が愛おしい。

奇跡は起きて欲しいが、別にそうでなくても構わない。真純と二人、幸せを深めるためには養父母への挨拶を初め、やるべき事は他にもある。真純とならば、面倒な事も楽しめそうだ。

まずは、受け入れてくれたお礼を言おうか。さっきの様子だとまた泣かせてしまいそうだけど……

もう一度額にキスをして、包み込むように抱き締めた。
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