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第10章 バカンス

「綺麗だよ。真純」
ツンと上を向いた形の良い胸に細く括れたウエスト。適度に張った腰から腿への円やかなライン。隠す様に少し重ねられた腿の間から覗く淡い茂み。
それは、絶景。
全てが俺を魅了する。
「綺麗だ」
そっと触れた柔らかな下腹部。しっとりと手に吸い付いてくる肌。指先を這わせるだけで真純がビクッと身体を震わせた。
「ふっ、ぅん……」
甘えた声に誘われる。
俺に向かって伸ばされた右手を取り、指先にキスをする。チュッと吸い上げ、その間に舌を這わせて。
「あっやっ！」
引かれそうになってギュッと手首を掴んだ。
「ダメ。全部俺の」
「っ……」
何か言いたげに口を開いて、でも何も言わずにまた閉ざす。全ての指にキスをして、その手を俺の首に掛けさせた。
上体を倒して唇を重ねる。やわらかなそれを何度も啄み
「んっ……ふっ……」
真純が縋りついてくる。差し出された舌先。いつになく積極的なその行動に驚いて、でも遠慮なく舌を絡めて吸い込んだ。
「んんっ」
自分から望んだくせにビクリと引っ込める。

逃がすわけ、ないだろ？