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第10章 バカンス

「ん……ふっ、ぅう、ん」
早々に舌を滑らせ、歯列をなぞる。軽くノックするだけて緩む口合。すかさず深く侵入して唾液を啜り上げた。
「ん、んんっ」
その卑猥な響きに真純が小さく首を振る。

ごめんね、逃してあげられない

奥へ引っ込んでしまった舌先を舐め、口蓋から歯列の裏をなぞると
「ふっ……ぁ……」
抵抗する力が抜けていく。快楽に正直な真純の身体。
首の後ろで結ばれたリボンを解き、丸い胸を露にする。そっと掬い上げて、柔らかな感触を確かめる。
「んっ……んん」
身を捩る様が扇情的で、熱が増していく。

ット、可愛い……

背中を反らされたタイミングでホックを外し、湿ったビキニをサイドテーブルへと投げた。
続けて腰の両脇のリボンを解く。慌てた様に腿を合わせ、でもキスの合間に囁いた
「水着でベッドが濡れちゃうから」
その一言で力は抜けて……開かせた腿の間から意味をなさなくなった白い布を抜き取った。
全裸にされた羞恥から、甘い香りが強くなる。それを煽るために唇を離して上体を起こし、殊更にじっと見下ろした。
「っ…」
まっさらなシーツに横たわる華奢な身体。赤く色付いていく白い肌。