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例えば、こんな...
第10章 バカンス
可愛くて、愛おしくて……
どうすれば良い?

「……ん、良くできました」
そっと頬を撫でるとピクリと震える。
まだ固く目を閉ざしたままの額に唇を押し当てた。
「俺も、欲しくて堪んない」
チュッと目蓋にキスをして、次いで小さな鼻に、滑らかな頬に何度も口付ける。
「ますみ……触って?」
思わず口を吐いた欲。瞬間真純の身体が硬直した。立ち上がってくるのは俺を興奮させて止まない、甘い香り。

いきなり真純からダイレクトに、なんて事は無理だと分かってる。
真純の右手を取り、やんわりと誘導する。抵抗を感じたのは初めだけ。導かれるままに水着に触れて、でもそこで手が止まった。
「俺に、触って?」
もう一度伝えると、真純が息を飲むのが分かった。その緊張が伝わって、俺の熱が上がっていく。

どう、しよっか……?

きっとそこで止まったまま。真純が触ってくることはないと思っていた。だから水着を脱ごうと手を離し

っっ!?

冷たい布越しに感じた真純の手の感触に一気に頭が沸騰した。

っすみ……!

暴走しそうな腰を必死に留めて、ただ耐える。たどたどしく慣れない手付きが却って俺を熱くする。
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