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例えば、こんな...
第4章 先生と男子高生 #2
「斎藤先輩、私……先輩の事が、好きです」
そういって目の前の女の子は俺に淡いピンクの封筒差し出してきた。
「あの、読んで……連絡下さい」
目もとを赤く染めて、少し上目遣いで見上げてくる。黒目がちの瞳は熱に潤み、グロスの乗ったぽってりした唇と相まってかなり色っぽい。

今のご時世に、手紙ねぇ……
にしても、この子自分の見せ方良く分かってんなぁ。
誘う気満々なのもよく分かるけど、今の俺には通じないよ?

「読まないから、受け取らない」
「えっ?」
大きな目が更に大きく開かれた。

ぉおー目玉落ちそう

断られるとは思ってなかったのだろう。首から上が一気に赤くなる。
「だって、先輩……いつもでも良いって……」
「あー、それね。止めた」
あっさり言った俺にギリッと奥歯を噛み締めたのが分かった。

確かに誰に対しても何時でも相手するって言ってた時期がある。実際ヤリまくってたし。
でも、もう止めた。

「話、それだけ?」
「…………」
「じゃあ、俺行くね。気持ちだけ貰っとく。ありがとう」
ニッコリ笑って手を振って、俺は本日三人目の女の子から足早に遠ざかった。
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