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暁闇
第8章  好意と好きと


「おおー! けっこうきれいにしてるんすね!」

「なんだそれ」


初めて彼氏の部屋にあがった彼女みたいな言葉を発する丈に、俺は苦笑した。


――丈は夏休みに入ると、俺の休日の前日に合わせて約束通り泊まりに来た。
駅まで迎えに行き、帰りに食事をして。
家に帰る前にコンビニに寄ると、丈は買い物かごに、ジュースやら菓子やらやたら入れ出した。

『だって好きなの何でも入れていいって、翔悟さん言ったじゃーん』

こんなに!? と驚いた顔をした俺に、笑いながらそんな言葉を返してきて。
しょうがないな、と全部買ってやったら満面の笑みで喜ぶ丈を、ほんとにかわいいやつだなと思って。
あおいさんが溺愛するのもわかるよな、と。思わず彼女のことを思った。


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