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第24章 　初めて口にした

密着して。
彼女の胸の膨らみが身体に当たる。
そのまま擦り付けるようにすると、彼女は途端に甘い吐息を漏らした。


その吐息ごと、飲み込む。


「んぅ」


最初から開かれた唇。
俺の舌を待っているはずの、そこ。

けれど、自分からは入れずに。
彼女の唇をくるりと舌先で辿る。


「ふぅ……ん……」


鼻から漏れる、甘えるようなその息。
それでも俺はそのまま、そこで。


「……んん……」


待てなくなったのか、自分から伸ばしてきた舌。
俺の舌を見つけ、ぴたぴたと舌先を合わせるように甘えてくる。


「……ん？」


わざと、唇を離した。


「……っあ……ん……」


俺の唇を見つめ、切なそうに目を細める彼女。

色っぽくて、こんなにも可愛い――――。


彼女の唇に、再び口を近づける。
欲しそうに、彼女も顔を寄せてきた。
けれど、触れる直前に動きを止め、舌だけを出す。
察した彼女も、同じようにした。