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知らなくってもいい性
第9章 能力者

ピシッ

空気の流れが一瞬変わる。

「カズキ。私が優柔不断だったから、君に誤解させたと思う。
ごめんなさい。
でも、私は今の結婚生活を大事にする。
...さようなら。」

私はカズキの喉元に目を合わせて淡々と語ると、体の向きを変えてまた出口に向かって歩き出した。

「待って。マキさん!もっと俺と話っ

ガンッ

「あれ?」

ガンッガンッ

「なんだこれ?」

「ええっ!?マキさんこれって!?」

私は自分の回りにバリア?を張っていた。
これは私だけの空間。
誰も入れさせない。

そもそも自分がこんなことができるのだから、カズキの瞬間移動の話しを聞いたときもそんなに驚かなかった。

なぜ使えるのかは分からない。
ただ、使えるようになったのは5、6年ほど前からだった。

使えたときはびっくりしたし、どうしようとか。何か活用できるのかとかいろいろ考えたけれど、今のところ雨の日の傘代わりぐらいだった。
人があまりいないときに使えば案外誰にも気付かれない。

何かから守るために使う。
なんて機会はそうそうめったにお目にかからない。

なんとなく誰かに話す気になれず、結局今のところ夫にも言ってない。

「えっ!何これっ!俺の能力でも入れないっ!」

「もう私には関わらないで!
24時間この能力を発動させて、君を近づかせないようにするから。」

ハッタリだった。

この空間は作る大きさにもよるけど、小さいものでも2、3時間が限度だ。集中力はもちろんのこと、あまり長く張っているとひどく疲れるのだ。

「...やっぱり。マキさんは俺と同じだ。仲間だったんだ。
...待ってて。」

そう言うとカズキは消えた。
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