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知らなくってもいい性
第9章 能力者
察するにここは能力者の集まりかもしれない。

「ねぇ~、あんた面白い能力持ってるよね。僕達の仲間になって、ここで暮らそうよ。カズキの彼女だし悪いようにはしないからさ...たぶん。」

ぼさっと頭が話しかけてきた。

「私はカズキの彼女じゃないからっ!!私には家庭があるからここでは暮らさない。帰ります!」

やっと彼女じゃないとハッキリ否定できたのは気持ちがいい。
くるりと前を向いてまた出口へと進む。

「待ってマキさん!!
俺すげー感動したんだよ!
ねぇ、俺と一緒になって!」

カズキが前にやってきた。
邪魔だ。
ちょっと重みを感じるけど構わず歩を進めると、カズキは私のバリアに押されながら、ずりずりと後退りしていく。

「ちょっ!!マキさんっ!うわっ!」

ガンッ

ガンッ

さらに後ろからは常にスパナが飛んでくる。

「お~い。ちょっと止まってよ。」

ぼさっと頭はもうちょっと大人しくしてて欲しい。

ザバッー

と思ったら今度は突然水がふってきた。
私を中心に球体を作っているバリアのほぼ真上からかけられた水は球体に沿って流れていく。

そして当然、前でジタバタしているカズキにもかかる。

「ちょっ!!シューヤっ!
俺にもかかるって!!考えろよっ!」

「ごめんっ。ごめん!俺も参加したくてさ♪そのバリアー?みたいの壊せばいいの?」

「いいんじゃない?シューヤ、前から大量に水かけてやったらさすがに動けないかもよ?」

「よしっ!じゃあ、もっと水運んでくるわ。」

「ほら~、カズキの彼女さんさぁ、僕らが本気出す前に観念した方がいいよ。
社会にいたっていいことないって。
なんの能力もないのに偉そうにしてるやつらばっかりだよ。僕らと一緒にやつらに一泡吹かせてやらない?」

...こいつらは子供か!?

さっきから人に向かってさんざん好き勝手なことをしてくるわ、能力があるから偉いみたいなこと言ってるし。

だんだんイライラしてきた。
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