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HOTEL・LOVE
第13章 その一歩


一週間はあっという間に過ぎた。


着替えた晴樹が掃除用具をそろえていると

後ろから香澄の声がした。



「おはようございます。

 ・・どう?大丈夫?」


「おはようございます・・うん、なんとか。

 あ、ありがとう、この前は」



きれいな二重の眼尻に小さなシワをつくって微笑む

晴樹を見て、

香澄は少しほっとした。


あれから今日まで、

晴樹のことを思い出さない日はなかった。

なにかにつけ、彼のことを考えてしまう。

自分の心の変化に戸惑いながら、それでも

うっすらとした幸せさえ感じている。

危険と隣り合わせなのに・・

そう、禁断の線を越えてしまうという、危険・・



「そんな・・何もしてないよ私は。

 今日は忙しそうだからペア清掃みたい、よろしくね」



しだいにドクドクと響く心音。

なんだよコレ・・

自分をコントロールできなくなっていきそうで・・

怖くなった。

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