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第17章 運命の悪戯

その幸せの裏側で・・

晴樹を想ったら寂しさが押し寄せてきた。


もう・・晴樹とは・・

あれが最初で最後・・

たった一度で散った、はかない恋・・

涙が流れた。


こんな事ってあるんだ・・

こんな偶然って、本当にあったんだ・・


小さな不満を解消するための小さな楽しみ。

やがて形を成して大きく成長していき、そして

それが自分一人のものではなくなった。

晴樹もまた、自分に魅かれて気持ちを膨らませていた。

気がつけばそれは、立派な恋、になっていたのだ。


不倫らしき客達を見るたびに、半分は鼻で笑い、半分は白い目をむけながらも

自分も一度くらい・・そう軽く考えていた。

だけどそれが現実になると、

簡単ではなく苦しい事なのだということがわかった。

セックスをするだけ、という関係ならまた別の感情を抱くのだろうが、

体だけじゃなく心も寄せてしまうと、

こんなにもせつないとは思わなかった。