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HOTEL・LOVE
第9章 さらに縮まる距離


・・友達みたいに思ってもいいかな・・


それを確かめたくなった。


細い通りの角を曲がったところにある

ドーナツ屋の前で立ち止り、



「あの、ちょっとお茶でもしませんか?

 オレ腹減っちゃった。

 それにこんなに明るいとまだ帰るの

 もったいない気がして。

 あ、でもやっぱり主婦は忙しいよね・・」



仕事帰りにお茶に誘うって、

女同士ならよくやるんだろうけど・・


まくしたてるようにしゃべる晴樹の

言葉が終わってすぐ、香澄は返事をした。

いいですよ、そう言って

ドーナツ屋の入り口に体を向けた。



「30分くらいなら全然平気。

 旦那の帰りもそんなに早くはないから」


「そう、じゃあオレがご馳走する!」



やったぁ!とバンザイをする香澄の姿が

なんともかわいらしい、と

晴樹はにやけた顔で香澄を見つめた。


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