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悪戯な思春期
第3章 王子様の刺客は忍者
 無駄に体力を使い、椎名は為されるがままとなってきた。
「椎名……」
 そう囁き、スカートの中に手を滑り込ませた途端、予鈴が響き渡った。
 無意識に舌打ちが出る。
 君は今までのが演技みたいに素早く体を起こすと、シャツを直してゆく。
 髪を整える君を後ろから抱き締める。
「逃がすと思う?」
 耳の裏を舐めると、顔を傾け避けようとする君。だが俺の両腕に阻まれ、身動きできない。
「だって……授業ぅ」
 言いながらも求める目で覗き込んだ椎名にキスをする。
 軽く表面を舐めると、俺はあっさり椎名を解放した。
 不思議な顔をして此方を見る君を、わざと嘲笑う。
「授業、行くんだろ?」
 その言葉に顔を歪ませ、涙を零す。
「ほら、行くよ」
 そんな君を助け起こして、俺はドアへ向かった。
(まぁ、今日はこんなところかな)
 余裕はまだあった。
 焦る必要などない。
 じっくり殺さないと。
 悶え死ねない、だろ。

 扉を開けて、君を中に入れる。
 もう時間は無かったが、二人は一瞬向かい合った。
「……雅樹」
 まだ体が疼くのだろう。小さな声で君は言う。
「ナニ?」
 優しく髪を撫で、整える俺の手を掴んで続きを言う。
「次は……中途半端にしないっ……で」
 それだけ言い捨てると勢いよく階段を駆け下りていった。
 残された俺は、一人でクスクス笑う。
「なんだ、あの顔」
 責めるような、強請るような。
 喜んでるような、苦しんでるような。
「その言葉……後悔しても遅いよ?」
 優雅に歩き出した俺の顔から、笑みが消えることはなかった。
 教室に戻ると、まだ顔が赤い君が慌てて生徒会長に謝っている。
 隣のクラスの奈々宮は心配で訪ねてきたようだが、椎名は熱で休んでいたのだと弁解した。
 会長がいなくなった君のそばを通るとき、「役者だね」と口だけで伝えると、更に顔を赤らめそっぽを向かれてしまった。

 ねぇ、椎名?
 君が瑠衣の幻影を俺に重ねてるのは知ってるよ。
 一人称を゛僕゛にしたら一層君は混乱するだろうね。それも見てみたいな。

 だけど、一つ忘れないで。
 俺は瑠衣じゃない。
 魔王のような瑠衣じゃない。
 きっと……
 君を狂わす瑠衣より酷い男だ。
 忘れないで。
 先に誘ってきたのは君だよ。
 『悶え殺してあげる』
 昨晩の瑠衣の声。
 それに重ねて俺は言った。
 斜め前の席の君に。
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