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天使の恋 〜凛花〜
第7章 いい女
「…何かあったの?」
向かい合って湯船に浸かって、指を絡ませながら私は尋ねる。
拓也は崩れ落ちる私の体を抱きとめて、お風呂場まで運んでくれた。
酔いも冷めているようだ。
ごめん、と言われなくてよかったと思った。
それはすなわち、さっきの出来事の否定にあたる。
「何かあったから誘ったと思った?」
「だって、突然だったし…」
「さぁね」
拓也の笑顔はいつもと変わらず穏やかで、でもどこか寂しげだ。
その瞳の奥にある答えは何?
「答え、見つからないんだ」
「!」
私の心の声を察したかのように、拓也がつぶやく。
そしてそれ以上何も言わず、私の手をぎゅっと握る。
私もそれ以上何も言えず、手をぎゅっと握り返す。
拓也の気持ちが、遊びやいい加減じゃないことだけは、この手から伝わる。
それだけで十分だと思うなんて、私はかっこつけてるだけのダメ女だろうか。
いつものタクシー乗り場で、私の分のタクシーを先に拾ってくれる。
目が合うと拓也はふっと笑って、
「ほんとにいい女だよね」
と言った。
「都合のいい女だよ」
と自虐的なセリフを吐くと、
「都合のいいだけの女は誘わないよ」
とまた笑う。
ここで、めんどくさい女になれば、
「また会いたい」とか「側にいて」とか言えば、
彼は応えてくれるんだろうか。
なんだか悔しくて唇を噛むと、その唇に優しいキスをされた。
「また」
と言ってタクシーのドアが閉められる。
私が通りを曲がるまで、彼はタバコを吸いながら、ずっとこっちを見てくれてた。
またっていつ?
今度会う時もキスしてくれる?
私はただプライドが少し高いだけで、彼が思うほど大人じゃない。
でも。
拓也が「いい女」って言ってくれたから、
その言葉を、その声を思い出せば、
表面だけでも"凛"としていられる気がする。
いつかわからないけれど、次に会う時に、名前に恥じないいい女でいられるように。
私は背筋を少し伸ばした。
向かい合って湯船に浸かって、指を絡ませながら私は尋ねる。
拓也は崩れ落ちる私の体を抱きとめて、お風呂場まで運んでくれた。
酔いも冷めているようだ。
ごめん、と言われなくてよかったと思った。
それはすなわち、さっきの出来事の否定にあたる。
「何かあったから誘ったと思った?」
「だって、突然だったし…」
「さぁね」
拓也の笑顔はいつもと変わらず穏やかで、でもどこか寂しげだ。
その瞳の奥にある答えは何?
「答え、見つからないんだ」
「!」
私の心の声を察したかのように、拓也がつぶやく。
そしてそれ以上何も言わず、私の手をぎゅっと握る。
私もそれ以上何も言えず、手をぎゅっと握り返す。
拓也の気持ちが、遊びやいい加減じゃないことだけは、この手から伝わる。
それだけで十分だと思うなんて、私はかっこつけてるだけのダメ女だろうか。
いつものタクシー乗り場で、私の分のタクシーを先に拾ってくれる。
目が合うと拓也はふっと笑って、
「ほんとにいい女だよね」
と言った。
「都合のいい女だよ」
と自虐的なセリフを吐くと、
「都合のいいだけの女は誘わないよ」
とまた笑う。
ここで、めんどくさい女になれば、
「また会いたい」とか「側にいて」とか言えば、
彼は応えてくれるんだろうか。
なんだか悔しくて唇を噛むと、その唇に優しいキスをされた。
「また」
と言ってタクシーのドアが閉められる。
私が通りを曲がるまで、彼はタバコを吸いながら、ずっとこっちを見てくれてた。
またっていつ?
今度会う時もキスしてくれる?
私はただプライドが少し高いだけで、彼が思うほど大人じゃない。
でも。
拓也が「いい女」って言ってくれたから、
その言葉を、その声を思い出せば、
表面だけでも"凛"としていられる気がする。
いつかわからないけれど、次に会う時に、名前に恥じないいい女でいられるように。
私は背筋を少し伸ばした。

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