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第27章 【ファン感謝】白雪姫　②小人(ナツ)

　
「お兄さんって、ナツはお兄さんがいるんだね？」


「「「「「「うん!!」」」」」」」


　６人一列びしっと並び、嬉しくてたまらないという顔で何度も頷く。


「うん!!」

　少し遅れてハナタレナツが端に加わり、同じ動作をした。



「お兄さんは、どこに住んでいるの？」


「「「「「「山」」」」」」」

「や、山」


　またもやハナタレナツは遅れて、言葉を繰り返す。

　それでも精一杯急いでいるのだろう、他ナツ達とぴたりと合わないのに焦っているのか、コメカミから汗が流れ、ふぅふぅと息が荒い。


「山？　あら、一緒に暮らさないの？」


「もう少しすれば、暮らせるの」

「だからお仕事頑張ってるの」

「もう少しで"出来る"んだよ？」

「おいこらっ、それは内緒だろう？　おしゃべり!!」

「しーちゃん聞かなかったことにしてね」

「僕達、しーちゃんが寝ている間になにもしてないからね？」


「カーンカーン……」


　ハナタレナツがそう呟けば、6人のナツ達が一斉に慌ててハナタレナツの口を手で塞ぎ、橙ナツがハナタレナツを別部屋に放り込んでしまった。



「ねぇ、カーンカーンってなに？」



「「「「「「それ、どうしても言わないと駄目？」」」」」」


　ガクガクガク、ブルブルブル。


「い、いいわ、言わなくても。ではそのお兄様の鷹さんなの？」

「「「「「「そう」」」」」」」



　そして6人のナツは嬉しそうにそれぞれが喋り始める。


「うふふ、結婚式は１週間後。嬉しいね～」

「今から楽しみ～。早く大人になろうね」

「うんうん、結婚式、誰からにする？」

「僕が最初がいい!!」

「駄目だよ、僕だよっ!!」

「はーい、はーい、僕からっ!!」



　……頭が痛い。


　１週間後に結婚式らしい。

　１週間後には大人になるらしい。

　あたしはひとりずつ結婚式をあげるらしい。



　……７夫１妻ですか。