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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)


「痛い、痛いからやめて、ナツ!!」



 そしてナツのモノから逃れたあたしは、痛みと共に気づく。



 ナツの心が欲しい。

 ナツに、心で愛されたい。



 心を求めるあたしは――、

ナツを愛してるんだ、と。



 小人でも大人でもどちらでもいいほど、あたしはナツが好きなんだ。

 そう思うと、惑っていた心が辿り着いた……気がした。

 あの優しくも情熱的な瞳に、あたしは最初から惹かれていたんだ。


 姿や年など、まるで関係ないほどに。


 好きだから、性奴という道具になるのは嫌だ。

 ナツと心身共に愛し合いたいんだ。



 この痛みは、あたしの心の叫び――。


 ナツのすべてが欲しい。

 ナツのすべてと繋がり、ナツのすべてを縛りたい。


 ナツだからハジメテを捧げた。

 ナツだから、身体を繋げることに不安がなかった。


 そう、ナツだから――。


 心の帰結を感じ取って、ようやく……、もどかしく思っていたナツの過去の女に対しての感情が、嫉妬だともわかった。


 ナツを、女として愛してる。

 いつからなのかはわからないけれど、だからここから逃げるではなく、共に生きることを決めていたんだ。


 だから今のナツが、ここから出て行くことを怖れたんだ。


 ああ、この気持ちを伝えたい。


「ねぇ、ナツ……」



 だけど――。



「そうやって、僕を拒むんだ……?」



 悲哀の色を濃くして、ナツは項垂れてしまった。



「僕は……、しーちゃんにとって、快感を与える身体すら必要ないんだ? 僕はなにも必要とされていないんだ……」


 あたしの首筋に、なにかがぽたりと落ちた。


「僕がどんなに愛しても、どんなに覚悟をきめても、昔となにひとつ変わらない。しーちゃんの心の中に入れない。

それでも繋がりたいと思うのは。だからしーちゃんの身体だけでも欲しいと、無理に繋がるのは。

……それは強姦、という罪なんだね」



 それは、ナツの涙だった―――。
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