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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

「女とは勘違いする生き物です。あなたもそこいらの女のように、勘違いする愚かな女だと思われたいのですか?」


 ねぇ、言葉は冷たいのに、どうしてあたしの手を触るその手は熱いの?


「……お仕置きだといったはず。それは終了しました」


 どうして――。

 非情な終焉を告げる言葉を否定するように、その手はあたしの手に絡みついてより強く繋げようとしてくるの?


「すべては終わったことです」


 どうして――。

 頭を横に傾けるようにして、抱きつくあたしの頭に顔を擦りつけてくるの。


 勘違いするなといいながら、勘違いさせているのはあなたよ。

 もっともっと抱き合って、もっともっと近くに寄り添ってみたい……、あたしと同じ事を考えているように思えてしまう。


「そういう関係が、一度ではなければいいの……?」


 あたしを"勘違い"で終わる女にしないで。

 あなたを求めるあたしから目をそらさないで欲しい。

 あたしを軽んじないで。

 どんなにあなたのことを思っているのか、女の身体として反応してしまっている現実を見てよ。


「だったら……」


 あたしは、サクラの手を払い……サクラの目の前に立つ。

 そして、ドレスの背中のチャックを下ろしたんだ。

 驚くサクラの前で、清楚なドレスが肩からはだけ、胸の膨らみの上に落ちると、さすがに大胆な行動をしているのが恥ずかしく思い、胸の前で両手を交差させて、胸が露わになるのを隠すのと同時にドレスが降下するのを防いだ。


「サクラ……」


 真っ赤な顔を上げてサクラを見ると、サクラの喉仏が上下に動いていた。

 その目は、葛藤を示すように揺れていた。
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