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第4章 過去

「……先生……。」



「……ごめん、……祐……。」


身寄りの無い弥生は三代目に引き取られた。


祐は弥生と共に暮らすことを望んだが、三代目がそれを許さなかった。



「お前は今は勉学に励め。あやつもそれを望んでおるだろう。」


祐は高校へ行き、大学へ入っても、時間の作れる時は必ず三代目の家をこっそり訪れた。


庭先で遊ぶ弥生を見ていると心が和み、癒されて行くようだった。


勿論三代目はそんな祐に気付いていたが、その事までも咎めるようなことはしなかった。



その三代目も昨年亡くなり、弥生は天涯孤独になったが、施設へは入らず親の遺した保険金で細々と暮らしている。