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可奈さん
第3章 もっとヤバイ展開
葉月ちゃんがバイト先に来る度に、俺を思い出すんだろうか。

それはきっと、俺が思っているよりもずっとつらい事なんだろう。


水溜まりを踏んづけて走っていく小学生のランドセルを見送ってから視線を前に戻すと、駅前のビルの間から大きな虹が薄く伸びて、てっぺんの途中から消えていた。

ちょうどユミのコンビニがある辺りだ。虹の向こう側は雨が降ってるって聞いた事があるから、今、ユミがいる場所はたぶん雨。


「たまには寄ってよ」

1度も買い物に来ない俺に口を尖らせていたユミの顔。
泣くのを我慢して「バイバイ」と言ったユミの顔。

ちゃんと見ていただろうか。

ユミの気持ちも早く晴れるといいな。

強さを取り戻した陽射しに負けて、俺は俯いて歩いた。




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