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Could you walk on the water ?
第20章 盗聴
女の笑いに、男は圧倒されたようだった。

彼が言葉を返すことはなかった。

そして、女が続けた。

「剛、本当の計画はここからよ。あなたの兄さんが予想していない計画・・・」

「・・・・・・・・」

「私、まだ手に入れていないものがあるわ・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「あなたよ・・・・・・・・・・・」

「姉さん・・・・・・・」

「そろそろ彼が出所するわ」

「堀内にしたこと、兄貴は何も言うはずはないさ」

「私たちの関係のことを彼が知ったらどうかしらね」

「それは・・・・・・・・・・・・・」

「私、剛からはもう離れられない・・・・・」

「堀内に抱かれるよりもいいのかな?」

「当たり前よ・・・・・・」

女の言葉が、かすかな嘘の気配が走ったように響いた。

「姉さん・・・・。しかし、兄さんの出所は止めることなんてできない。いっそ、俺たちの関係のことを正直に話せば」

「それは駄目・・・・・。彼は恐らく全てを暴露するわ」

「・・・・・・」

「自分も罪を負うことを覚悟で、私たちの秘密を全て」

「だったら、いったい・・・・・・・」

二人が見つめあうことを想像させるような、沈黙が続いた。

そして、女が口を開いた。

「方法は、ないことはないわ」

「えっ?」

「彼を出所させない方法よ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「殺人計画の中心人物だと発覚すれば、出られるはずもないわ。違うかしら?」

「姉さん・・・・・・、いったい何を考えて・・・・・・・・・・・・」

「この話はまた今度にしない?  ねえ、我慢できないわ、私・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

「ほら、触ってみて・・・・・・」

「姉さん、待ってくれ、いったい兄さんをどう・・・・・・・・」

「もっと触って・・・・・、そうよ・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・」

くちゅくちゅという湿った音、互いの唇を吸いあうような気配に続き、再び男女が激しく交わりあう音声が開始された。

そしてテープは終わった。
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