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甘いだけの嘘ならいらない
第9章 ただその刹那のためだけに
「で、でも……英士くんのお母さんにだって、最近会ってないし、いきなり話したら、びっくりされちゃう…」
「大丈夫。母さん、理紗のこと気に入ってて、本当の娘みたいに可愛がってるだろ?反対なんかされないよ」
ーー最初から理紗との交際も、婚約もすごく嬉しがってたんだから。
英士くんはあたしがきっと何を言っても、不安要素になるような言葉は返さない。
英士くんのお母さんのことは、あたしも本当のお母さんみたいに大切に思ってる。
優しくて明るくて、英士くんの幸せをすごく願ってるんだって、わかるの。
だからこそ、あたしの中には躊躇いがあった。