この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
afterstory……♡ side Eishi
「……英士くん、どうしてもだめ?」
「だめ。却下。ぜーったい、だめ。そんな顔したって、だめだから」
「で、でも…」
めげずに何度も俺に答えを問う姿を見れば、理紗が不満に思っていることは明らかだった。
悲しそうにしゅんと肩を落としている理紗を見ていると、既に考えが揺らぎ始めている俺の意思の弱さを少し情けなく思う。
「何でも言うこときくから、ね。それなら、いいでしょ?」
「…何でも?」
「うん、何でも。英士くんのして欲しいこと、ひとつ、きくよ?」
にこにこと可愛らしい笑顔を浮かべて、理紗は薄く唇を開いて、俺に抱きつきながら触れるだけのキスをした。