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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
「誇張じゃないから。本当、野獣の群れのなかに美女を放り込むようなものだから。言わなくても察してよ。…心配なんだよ」
「ふふ、あたし美女じゃないから大丈夫」
「そういう問題じゃないんだって。理紗の写メ見せたら、可愛い可愛いって、うるさいんだ…」
「口が上手いんだね、英士くんのお友だち」
理紗は少し照れたように、頬をゆるめて、お世辞でも嬉しいな、と愛らしい笑みを浮かべた。
ああ、もう、笑えないんだって。
本気で心配してるのに、俺の危機感はどうしたら理紗に伝わるのかわからない。