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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
奏多は俺が理紗に惹かれてるのを知って、背中を押してくれて、理紗と少しでも仲良くなれるようにと、色々と協力してくれた。
感謝してもしきれないほどに、感謝してる。
してる、けど。
「英士くん?」
首を傾げて、思い悩む俺の顔を覗きこむ理紗にはっとした。
「奏多くんは、学校の先生になるのが夢だったよね。教員免許取れたんだっけ」
「ああ。奏多に聞いたの?」
「うん。奏多くんが就職してすぐの頃に電話くれてね、教育実習頑張ってるって。落ちついたら飲みに行こうって誘われたの」
「…そんなの、聞いてないよ」