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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
電話があったことも知らないし、飲みに誘われたなんていう話も初耳で、俺は思わず理紗に詰め寄った。
勢いあまってベッドに押し倒してしまって、理紗のブラウスの襟元がはだける。
視線が絡み合うと、理紗は唐突に詰められた距離に困惑して、ぱっと視線を逸らした。
「えっと、あの…英士くん、忙しそうだったし、何度か話そうとしたんだけど、なかなか…ごめんね」
「そう、だね。確かに、仕事でいっぱいいっぱいだったかな。俺も」
俺が記憶を辿って苦笑すると、理紗はほっとしたように微笑んだ。