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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
「はっ、あ……英士、く…」
「理紗、可愛い…」
「英士くん、時間…ない、でしょ…?」
「まだ大丈夫。理紗のこと、蔑ろにしたくないし」
それは俺の本音だし、理紗が俺にとって最優先であることに変わりない。
第一、こんなに瞳を潤ませて煽るように俺を見つめる、理紗を目の前にして何もせずにいられるほど、俺の理性は強くはなかった。
「理紗は、したくないの?」
俺って意地悪かもしれない。
こんな聞き方はずるいって、わかってはいるけど、理紗の口から言わせたくて、わざと理紗の弱いところに指を添わせる。