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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
「待って…いま、立てない、から……」
「うん。だから理紗はお留守番だよ」
俺は理紗の頭を撫でて、おでこにキスをする。
「…英士くん?」
「俺の前で他の男の話なんてもうしないようにね。…次はこんなんじゃ済まさない」
「っ、あ…あの」
「腰ツラいでしょ?少し横になってていいよ。ごはんは簡単なもの作って置いとくから」
「……本当に、行っちゃうの?」
さみしそうな顔で見つめられると、俺は弱い。
笑顔と同じくらいの破壊力で、理紗は俺に精神攻撃をかけてくる。
俺は躊躇いながらも小さく頷いて、まだ肩で息をしている理紗に、にこりと笑った。