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甘いだけの嘘ならいらない
第10章 泣き虫な君には甘いだけの嘘を
理紗はまだだるそうな身体を上半身だけ起こすと、俺に腕を絡めて、今度は自分からキスをした。
「すき、だよ。英士くんが、だいすき…」
理紗が思っているよりも、俺が理紗を好きだって、本当にもう泣きそうなくらい愛しくて、ずっとずっと触れていたいなんて、きっと理紗は解ってない。
きっと理紗が俺を想うよりもずっと、俺は理紗が愛しいんだよって、言葉ではきっと伝えきれない。
だから何度もキスをする。
君に触れたいから。
君に、好きでいて欲しいから。
君が、愛しくてたまらない、から。
ねえ理紗、情けないくらい君を想わずにいられない俺を、どうか君も好きでいて。
ずっとずっと、笑ってて。
すべてを伝えずにキスで濁して、俺は理紗をぎゅっと抱きしめた。
Fin♡
→ あとがき