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甘いだけの嘘ならいらない
第3章 背徳の恋
♡ ♡ ♡
エントランスで暗証番号をタッチしてロックを解除すると、エレベーターに乗って、部屋のカードキーを通す。
機械音が響いてランプが蒼色に点灯し、ドアを開いて入ると、また自動的にランプは赤に戻る。
真新しそうな綺麗なマンションは、あまり生活感はなく、靴を脱いで真っ直ぐ歩いていくと奥の部屋に通される。
ダブルベッドとルームランプ、それだけしかないシンプルなその部屋は、ベッドルームみたいで、あたしは北条部長にされるがまま、ベッドに横たえられた。
「…此処って」
「俺の家だ。離婚は来週だけど、もう妻の荷物は残ってない。遠慮なく寛いでくれたらいい」
「……はい…」
「理紗、相当酔ってるだろ。まだ顔、紅いし」
「はい……」
「こんな弱ってるのにズルいけど、……それでも欲しいから」