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誘淫接続
第6章 強制接続

(3)

 麻琴はJR新宿駅の地下にある東口改札の手前で、外に出ずに通路の端に立ち、洪水のように流れていく人波を前にうつむいていた。
 電車を降りた直後にスイッチが入れられた貞操帯の淫具は動いたままで、麻琴はなんとかここまでたどり着いたが今は立っているのがやっとだ。

 翠はまだ現れない。
 近くにいるはずだ。
 離れた場所で麻琴が苦しむ様子を見て、ほくそ笑んでいるのだろうか。

 貞操帯の穴から少しずつ蜜が漏れ出し、太ももを伝う。トイレに行ってぬぐいたいが、今は動けそうにない。
 雑音で何も聞こえないはずなのに、衣服に覆われているはずなのに、責め具が腹の中をかき回すグチョグチョとした卑猥な音が麻琴の耳奥に響いてくる。

 ――認めたくない、けど……
 ――き。
 ――気持ち、いい。
 麻琴は激しく首を振った。
 ――だめだめだめ……!
 ――認めちゃ……!

 「一人で首振ってるとっ、おっかしいヒトだって思われますよっ?」
 麻琴がとっさに横を向くと、いつの間にか翠がほほ笑んで立っていた。
 目は大きく開き、口調はやたらと弾けた感じになっている。

 翠の服装も普段のそれとは全然違っていた。
 赤いチェックのプリーツミニスカートに、白黒のボーダーニーハイソックスを履いて、袖口などところどころに赤のラインが入った黒のブルゾンを着ている。
 スカートはかなり短い。階段を登ると確実に中が見えるだろう。

 翠は教室以外ではこういう格好をするのか。背が低く幼く見える身体には妙に収まりがいい。薄くだが化粧をしていて、それがかえって幼いイメージを強めている感じがする。
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