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サイドストーリー3
第4章 横浜ホールディング
会社に入って丸2年が過ぎようとしていた。
会社では新人ではなくなり
でも重要な仕事を任される訳でもなく
アシストという名の雑用の毎日だ。
残業をしこたまやって
家に帰って夕飯を作る気にも食べる気にもならなくて
週の半分以上を同期で飲みながらの夕飯を済ませるようになったのは
入社してからどれぐらいから続いているんだろう。
今日もそれぞれ残業をして
いつもの居酒屋で落ち合って
飯を食って明日に残らない程度の酒を飲む。
いくら高給取りになったって
使う場所がこの居酒屋しかないなんて寂しいもんだ。
「石島、篠塚、話があんだけど」
今日の片桐は酒のピッチが速かった。
「何?」
「俺さ?仕事辞めて田舎に帰って家業を継ごうと思う」
「はぁ?」
「田舎ってお前の出身ここだろ?家業って?親父さんのレストラン?」
俺と篠塚はいっぺんに酔いがさめた。
「いや。親父の実家。農家なんだ。この前じいちゃんが倒れて。
その前から無農薬野菜の栽培を始めたって聞いてて
このまま終わらせちゃいけないような気がしたんだ」
「・・・・」
「お前、農業の経験なんかあんの?」
「だから、今なんだよ。ばあちゃんが動けるうちに教えてもらいたい」
会社では新人ではなくなり
でも重要な仕事を任される訳でもなく
アシストという名の雑用の毎日だ。
残業をしこたまやって
家に帰って夕飯を作る気にも食べる気にもならなくて
週の半分以上を同期で飲みながらの夕飯を済ませるようになったのは
入社してからどれぐらいから続いているんだろう。
今日もそれぞれ残業をして
いつもの居酒屋で落ち合って
飯を食って明日に残らない程度の酒を飲む。
いくら高給取りになったって
使う場所がこの居酒屋しかないなんて寂しいもんだ。
「石島、篠塚、話があんだけど」
今日の片桐は酒のピッチが速かった。
「何?」
「俺さ?仕事辞めて田舎に帰って家業を継ごうと思う」
「はぁ?」
「田舎ってお前の出身ここだろ?家業って?親父さんのレストラン?」
俺と篠塚はいっぺんに酔いがさめた。
「いや。親父の実家。農家なんだ。この前じいちゃんが倒れて。
その前から無農薬野菜の栽培を始めたって聞いてて
このまま終わらせちゃいけないような気がしたんだ」
「・・・・」
「お前、農業の経験なんかあんの?」
「だから、今なんだよ。ばあちゃんが動けるうちに教えてもらいたい」