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サイドストーリー3
第5章 出会いは必然に
こんな時、どうしていいか分からなくなる。
恋愛レベルがものすごく低い私は
どうしたらいいか正解が分からない。

私はうつろに電車に乗り家に帰った。
大川さんの部屋に行くことはできなくて。
自分の部屋に入ってコートを着たままリビングに座り込んだ。

何時間経ったか分からない。
外はすっかり夕日になって、携帯だけが何回か鳴っていた。

「お~い。陽菜?こっちにいるのか?」
ガチャガチャと音がして合鍵で入ってきた大川さんが目の前に座った。

「陽菜?どうした?ん?」
「大川さん・・・」

泣いちゃいけないと思っても涙が出ちゃうよ。
恋愛レベルが低いから駆け引きなんかできない。
素直に自分の気持ちを言う事しかできないよ。

「私、本当に大川さんが好きだよ」
「うん?」
「ご飯だって作れないし」
「うん」
「家事全般苦手だし」
「だなぁ。この部屋もこの前片づけてやったのに」

大川さんは笑いながらリビングをぐるりと見回した。

「大川さんも仕事が忙しいのに毎日夕飯作ってもらってごめんなさい」
「うん?」
「エッチした後に私は寝ちゃうのに、大川さんは起きて仕事するときがあるって
知ってるよ」
「あー」
「私だけ寝ちゃってごめんね」
「ん」
「今日もバレンタインだって事務の子に聞いたの」
「うん」
「女らしくなくてごめんねぇ」

そこまでいった私に苦笑いして大川さんは自分の髪をくしゃっと触った。

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