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サイドストーリー3
第7章 田園シンデレラ
毎年この時期に1枚だけハガキがポストに舞いこんで来る。
裏は毎年同じだ。
サークルのメンバーで飲み会に参加している純子の写真だ。
この笑顔はもちろん俺に向けられたもんじゃなくて。

大学時代からずっと純子の事が好きだった矢沢に
向けられてるものだ。

ここの生活に馴染めなくて。
横浜に帰った純子が心配で、俺は矢沢に連絡した。

俺を責める言葉なんか一言も言わずに
「任せろ」
そう言ってあいつは電話を切った。

純子を傷つけたのは俺だ。
いい加減な話し合いでここまで連れてきた。
慣れない田舎暮らしで純子の事を思いやる気持ちも足りなかった。
今なら、純子の気持ちも分かるのに・・・

「ごめんね。もう無理」泣きながら言った最後の言葉が突き刺さった。

任せられるのは矢沢しかいなかった。
俺は、ここを離れる訳にはいかなかった。

でもそんなもの、今となっては全て言い訳だ。
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