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サイドストーリー3
第13章 カウントダウン
何がいけなかったのか。
今ならわかる。
今ならわかるんだ。
けど。あの時の俺は分からなかった。
周りが見えなくて
俺自身しか見えなくて
里香の事しか見えなくて・・・・
そして里香を失った。
もう、みんなの蒼くんでいいと思った。
誰とでも付き合ってやる。
俺と付き合いたい子は見えない列に並んでいるかのようだった。
だけど。俺は誰のモノにもならない。
みんなのモノ。それは誰のモノでもないってこと。
それでいいんだ。
そんな風に思っていた自分に可笑しくなる。
里香を手放して心が痛いくせに。
自分のせいで里香が傷つくのが怖かったんだ。
守り切れる自信がない自分に苛立って
ほっといてくれない周りに八つ当たりした。
隣で俺の手を握って機嫌よく小さい声で歌を歌いながら
桜の下をスキップしてる。
里香―――
どうして君と離れられるなんて思ったんだろう。
でもあの5年間があるから。
今の俺たちがあるんだ。
「蒼くん。桜きれいだね」
「ああ。一緒に桜の下を歩きたかったんだ」
「これもカウントだね!」
笑いながらそう言う里香にキスをした。
END****
今ならわかる。
今ならわかるんだ。
けど。あの時の俺は分からなかった。
周りが見えなくて
俺自身しか見えなくて
里香の事しか見えなくて・・・・
そして里香を失った。
もう、みんなの蒼くんでいいと思った。
誰とでも付き合ってやる。
俺と付き合いたい子は見えない列に並んでいるかのようだった。
だけど。俺は誰のモノにもならない。
みんなのモノ。それは誰のモノでもないってこと。
それでいいんだ。
そんな風に思っていた自分に可笑しくなる。
里香を手放して心が痛いくせに。
自分のせいで里香が傷つくのが怖かったんだ。
守り切れる自信がない自分に苛立って
ほっといてくれない周りに八つ当たりした。
隣で俺の手を握って機嫌よく小さい声で歌を歌いながら
桜の下をスキップしてる。
里香―――
どうして君と離れられるなんて思ったんだろう。
でもあの5年間があるから。
今の俺たちがあるんだ。
「蒼くん。桜きれいだね」
「ああ。一緒に桜の下を歩きたかったんだ」
「これもカウントだね!」
笑いながらそう言う里香にキスをした。
END****