この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
サイドストーリー3
第14章 キスの花束を
「兄貴」
新入社員の研修の合間に、社内図を頼りに
企画部まで来た。
小さく呼んだその声に反応してくれたからよかったものの
会社で「兄貴」は場違いだ。
「会社では、森川係長」
そう呼べって言っただろ。と苦笑いしながら俺を小突いた。
「浅岡さんってどの人?」
俺の言った言葉に兄貴は顔をしかめる。
「なんで?」
「理由は言いたくない」
「・・・・」
「お前がなんで浅岡さんを知ってるか知らないけど。
相手は部長だ。新入社員が話しかけられるような相手じゃない」
「・・・・」
「ここは会社だ、森川君」
「・・・・」
「お前が浅岡さんを見に来たと知ったら紗江子はどう思う?」
「・・・・」
「どこで知ったか知らないけど。お前は知らないふりしてろ」
「でも!」
「それが男ってもんだ」
「お前が浅岡さんを知ってるなんて絶対に紗江子に知られるな」
「・・・・」
「さ。新人研修に戻れよ」
新入社員の研修の合間に、社内図を頼りに
企画部まで来た。
小さく呼んだその声に反応してくれたからよかったものの
会社で「兄貴」は場違いだ。
「会社では、森川係長」
そう呼べって言っただろ。と苦笑いしながら俺を小突いた。
「浅岡さんってどの人?」
俺の言った言葉に兄貴は顔をしかめる。
「なんで?」
「理由は言いたくない」
「・・・・」
「お前がなんで浅岡さんを知ってるか知らないけど。
相手は部長だ。新入社員が話しかけられるような相手じゃない」
「・・・・」
「ここは会社だ、森川君」
「・・・・」
「お前が浅岡さんを見に来たと知ったら紗江子はどう思う?」
「・・・・」
「どこで知ったか知らないけど。お前は知らないふりしてろ」
「でも!」
「それが男ってもんだ」
「お前が浅岡さんを知ってるなんて絶対に紗江子に知られるな」
「・・・・」
「さ。新人研修に戻れよ」