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サイドストーリー3
第15章 キスマーク
「横浜ホールディング・・・」
「内野さん。今度丸田商事さんとプロジェクトをご一緒するんですよね?」
「え・・・・」
「担当の部長、よく存じてますよ」

思わせぶりにそう言ったら、男は慌てて帰って行った。

その様子を見ながら俺は大きなため息をついた。
「優衣。30分ぐらい見てるけど。あれって仕事かよ?
あんな男のために俺がキャンセルされたのかと思うとイラつくんだけど」

嫌みの一つでも言ってやろうと振り向きざまにそう言えば
俺が言い終わる前に首に抱きついてきた。

「ありがとう~。嫌だったぁ~」
「いやだったら拒否しろ!」

「むげにできないよ。今の仕事の担当者なんだもん。
仕事の事で打ち合わせしたいって言われて・・・」
そう言った優衣の声は若干鼻声で。
泣いてんのか?

「でも、このお店を選んだのは褒めて。
ここにいればもしかしたらしずかが来るんじゃないかと思って」
「・・・・俺がこなかったらどうすんだよ」
「来てくれるって信じてたもん」

こいつ。可愛い事言いやがる。

「俺との約束をキャンセルするからこうなるんだぞ」
「うん」
「俺のこと好きか?」
「うん」
「ちゃんと優衣の言葉で聞かせろ」
「玄、好き」
「よし」

優衣の言葉に満足した。
が、あいつの事は絶対に丸田の部長にチクッてやる!
優衣の髪をなでながらそう決めた。


END*****


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