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サイドストーリー3
第17章 夢を見るころ②
いつもは篠塚さんの会社の近くの居酒屋なのに
たまには美味しいものでも食べに行かないか?と
誘われたのはこの前雑誌に載っていた、お店だった。
「こんな素敵なお店、誰と来たの?」
半分本気で、軽く睨んだら、篠塚さんはプッと吹き出して
「この店、同期がオーナーなんだ」
と穏やかに言った。
「といっても、ヤツはとっくに会社を辞めて今は田舎で野菜を作ってるんだけど」
「へぇ」
「今度紹介するよ」
「うん」
静かなお店の雰囲気の中、篠塚さんがじっと私を見つめて口を開いた。
「夢。結婚しないか?」
前触れもなく、篠塚さんは穏やかなまま、そう言った。
「え?」
「夢を俺だけのモノにしたい」
「・・・・」
「来年。花ちゃんが大学を卒業したころ。一緒に暮らしたい」
「・・・あの」
「うん」
「でも・・・・」
「うん」
「花が一人になっちゃう」
「そうだな」
「私、仕事帰りも遅くて、家事なんか出来ないし」
「うん。それでも良いよ」
「奥さんらしいことは何もしてあげられない・・・から」
「うん。それでも良い」
「・・・・」
「それでも結婚したいんだ。夢を俺だけのモノにしたい」
「・・・・」
たまには美味しいものでも食べに行かないか?と
誘われたのはこの前雑誌に載っていた、お店だった。
「こんな素敵なお店、誰と来たの?」
半分本気で、軽く睨んだら、篠塚さんはプッと吹き出して
「この店、同期がオーナーなんだ」
と穏やかに言った。
「といっても、ヤツはとっくに会社を辞めて今は田舎で野菜を作ってるんだけど」
「へぇ」
「今度紹介するよ」
「うん」
静かなお店の雰囲気の中、篠塚さんがじっと私を見つめて口を開いた。
「夢。結婚しないか?」
前触れもなく、篠塚さんは穏やかなまま、そう言った。
「え?」
「夢を俺だけのモノにしたい」
「・・・・」
「来年。花ちゃんが大学を卒業したころ。一緒に暮らしたい」
「・・・あの」
「うん」
「でも・・・・」
「うん」
「花が一人になっちゃう」
「そうだな」
「私、仕事帰りも遅くて、家事なんか出来ないし」
「うん。それでも良いよ」
「奥さんらしいことは何もしてあげられない・・・から」
「うん。それでも良い」
「・・・・」
「それでも結婚したいんだ。夢を俺だけのモノにしたい」
「・・・・」