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サイドストーリー3
第20章 心も抱きしめて③
カチャッと鍵をゆっくりまわして
出来る限りそーっとドアを開ける。

石島さんに合い鍵をもらって
たまに早く帰れる日には、お邪魔する。

何回開けてみても、
家主のいない部屋の鍵を開けるのはなんだか落ち着かない。

「お邪魔しま・・ぁす」

小さい声で呟くけど。
もちろん返事なんかなくて。
物音がしないように廊下を歩いてリビングにたどり着いたら
そのまま部屋の電気を付けないまま窓際に行く。

「綺麗・・・」

眼下に広がる横浜の夜景は、本当に宝石箱で。
キラキラ光るその夜景を見るだけでこの部屋に来たかいがある。

私が来ることはいつも連絡はしない。

石島さんは連絡をすると仕事を切り上げてきちゃいそうだから。
仕事の邪魔はしたくない。

しばらく会えないと寂しくなってこの部屋に来る。
そして夜景を見て、明日も頑張ろう。と思える。
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