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サイドストーリー3
第20章 心も抱きしめて③
いつもはこのままそっと帰るのに。
今日はなんだかすごく寂しくなって。
相変わらず窓際にデンと置かれているベッドにごろりと横になる。

「石島さんの匂いがするなぁ~・・・」

枕を抱きしめて。
きっと12時間前まで石島さん本人を包んでいた布団に包まれて
軽く息を吸えば、石島さんの匂いに包まれた。

ハッと気がついたのは、誰かが髪をなでているから。

あのまま・・・寝ちゃったんだ。

「由香里。気がついた?」
「・・・ん」

疲れている身体はまだ半分、寝ぼけたままで。

「たまに来て、気づかれないように帰っちゃうだろ」

あ~・・・ばれてたんだ。

「寂しいのが自分だけだなんて思ってないよな」

苦笑いしながら私の髪をなで続ける。

「俺もさみしいんだけど。
帰ってきて、由香里の気配がして、もういないと分かると余計寂しい」
「・・・・ん」

「忙しくてごめんな」
それは!私も。お互い様。
「私も。忙しくてごめんね」
私の髪をなでる手にキスをした。

「一緒に住もうか」
「・・・・え」
「すれ違わないように。毎日一瞬でも良いから顔が見たい。
たとえ寝顔でも」

「うん・・・」

そう答えた私に石島さんは身をかがめてキスをした。


END****

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