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サイドストーリー3
第22章 10年目の恋
海外事業部にとってかなり大きな案件を任されたのは1年半前。
それからほぼ毎月のようにUKに飛んだ。
この案件が成功すれば終了次第に主任試験を受けられる条件を提案され
1も2もなく受けた。
会社は2年はかかると踏んだんだろう。
だが、1年半で何とかめどがついた。
俺は29歳で同期より一足早く主任になる。
思った以上に大変だったこの案件も終わりが見えてきた。
「宇野さん。先方が最終の調印をUKまで来いと言ってますが」
メールを受け取った後輩が、そう不満げに報告してきた。
本来なら、先方がこちらに出向くのが礼儀だ。
でも、俺の頭にある事が思い浮かんだ。
丁度いい―――
「お伺いしますと返事してやれ。
向こうもそれなりの最後のプライドを保ちたいんだろう。
調印なんかどこでしたって同じだ。
最終的にはウチが有利な契約書になってる。
俺たちも1年半のご褒美にUKで観光でもしよう」
そう言うと、後輩は苦笑いして「帰りの飛行機は1日ずらしますね」と言った。
それからほぼ毎月のようにUKに飛んだ。
この案件が成功すれば終了次第に主任試験を受けられる条件を提案され
1も2もなく受けた。
会社は2年はかかると踏んだんだろう。
だが、1年半で何とかめどがついた。
俺は29歳で同期より一足早く主任になる。
思った以上に大変だったこの案件も終わりが見えてきた。
「宇野さん。先方が最終の調印をUKまで来いと言ってますが」
メールを受け取った後輩が、そう不満げに報告してきた。
本来なら、先方がこちらに出向くのが礼儀だ。
でも、俺の頭にある事が思い浮かんだ。
丁度いい―――
「お伺いしますと返事してやれ。
向こうもそれなりの最後のプライドを保ちたいんだろう。
調印なんかどこでしたって同じだ。
最終的にはウチが有利な契約書になってる。
俺たちも1年半のご褒美にUKで観光でもしよう」
そう言うと、後輩は苦笑いして「帰りの飛行機は1日ずらしますね」と言った。