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サイドストーリー3
第27章 恋心あれば水心②
会社の3階は、ワンフロア全部を使った大きな会議室で
机を取っ払って椅子だけを並べると
本社にいる社員がほぼ全員座れる。
机を並べると、1番大きな会議室になって部長以上の全セクションのトップ会議が行われる階だ。

逆に言うとめったに使われない階でもある。

午後から、経理部に来客があるからコーヒーの準備をしていたら
お砂糖のスティックが人数分ないのに気が付いて
3階ならめったに使わないから、借りてきて後で補充しようと考えた。

給湯室で探していると声がした。
珍しい。3階に誰かがいるなんて。

「総会前のトップ会議は席順を考えなきゃいけないでしょ」
女性の声?
「めんどくさいな。役職順に割り振ればいいだろう」
山田さん?
「色々、部ごとの兼ね合いがあるのよ。真剣に考えてよ」
「席なんかどうでも良いだろ」
どうやら、次回のトップ会議の席順をめぐって進行役の経管が実際に見に来たらしい。

「真剣に考えてよ。・・・私の・・・この前の話。真剣に考えてくれた?」
「・・・・」

なに?急に声のトーンが変わった?

「あのさぁ。俺はきちんと断ったよね?何を考えろっていう訳?」
「・・・・そんな言いかたないじゃない」
「じゃぁ、なんて言ってほしいんだよ?」
「・・・・」

「のぞみがいてもいいから。なんてバカな考えはやめろ」
「私が良いって言ってるのよ」
「だから。そーじゃないだろ。のぞみの気持ちは無視かよ。俺の気持ちは?」
「・・・・じゃぁ、山田の気持ち・・・は?」

山田?呼び捨て?
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