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翻弄の果てに
第9章 環と祥子
『いいえ(笑)私は嬉しいのよ。彼、優しいでしょ?まあ、こんな具合だけど。』

『はいっ!元気で明るくて、とっても優しいです!』

祥子は顔を桜色に染め、目を輝かせた。

『!』環には解ってしまった。が、口にするのは、今しばらく待つことにした。


『それで…聞いていいかしら?』

『え…えぇ…』

無理に聞き出そうという気はない。
言いにくければ、別に今日じゃなくてもいい、と環は思った。

『彼はね、祥子さんの明るい笑顔を楽しみにしているのよ。』

『え?』

『祥子さんが元気がないと、食も細いの。びっくりでしょう(笑)』

『ま、まさか?!』

『ぅふ、でも、そのまさかなのよ。』



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