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翻弄の果てに
第4章 穏やかな日々
両親共、環の幸せを祈らずにはいられない。

半ば 洗脳されるようにひきつけられ、間違った恋愛観を植え付けられ……忌まわしい出来事に苦しめられてきた過去は、環だけではない。両親もまた同じだった。

それから15年ほどの時が過ぎ、環はまた、逃げられない現実を突き付けられ、望まない結婚と、堪え難い結婚生活を営んでいた。

そこから逃げ出した娘の幸せを願う母は、手紙が届いたことはおろか、悠太が仕事を辞め、行方不明になったことも、知らぬ事と、男を避けた。

ついに、男は、捜す見当を失ったのである。


さて、悠太はというと、悠太の仲間から、「姉の側に居ることが苦しい、俺は違う土地に生活の場を変えるが心配はいらない。」と、悠太が言って、仲間からも離れて行ったと、伝えてもらった。

だから、両親は、俺と姉が一緒に居るなんて想像もしなかった。



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