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翻弄の果てに
第4章 穏やかな日々
俺達がみんなに馴染み、元気に働き、充実した日々を送っていた頃−−−



『環の手紙、お父さん、まだ読んでないの?』

『うるさいっ!あの恥知らずが!』

『でも…あたしは、環が今までずっと我慢して、愚痴ひとつ言わない方が不憫(ふびん)だったんですよ。方法は決していいとは思いませんが、あの子を信じて、許したいんですよ…』

両親の、娘を思う気持ちは同じ。
それでも、やっぱり、父親としては、母親のように口には出せないのだろう。

父は、環からの手紙を暗記するほど読んでいたのだ。

昔から、父は環を溺愛していた。だから、あの時、娘に起きたことが辛過ぎた。それから、娘とあまり話さなくなった。

そんな過去を悠太はまだ知らない……




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