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幼馴染と発情期
第8章 思春期
―12年前。
「オレ、かおちゃん大好きなんだぁ!大きくなったらふーふになろーね!」
「…けんちゃんが好きって言うなら仕方ないから、かおも好きになってあげる。でも、ふーふになる前には恋人にならないといけないのよ?」
「えー?そうなんだー!じゃあ恋人になる!」
「恋人になるにはもっと大きくならないといけないのー」
「うーんと…うーんとね!したら大きくなったら恋人になろー?約束だよ!」
「いいけどかおの事ずっと好きでいてくれたらだよ」
今思えば華織(カオリ)は昔から少しひねくれた性格だった。
だけどそんな華織を俺は昔から好きで好きで仕方なかったんだ。
それから11歳ののバレンタインデー。
この頃周りに冷やかされるのが嫌で華織と話す機会が減っていた。
そんな中、学校で華織は手作りのチョコをくれた。
「賢(ケン)が華織にチョコもらってるぞー!お前ら付き合ってんだろー?」
「じゃあせっくすとかしてんだ!?いやらしいー」
「は…は!?ちげぇよ!っつーかこんなもんいらねぇよ!」
俺はそう言って華織にチョコを突き返した。
本当はそのチョコはめちゃくちゃ欲しかったし、華織がくれた事が嬉しくてたまらなかったはずなのに…。
その後、中学に上がると華織はモテた。
もともと美人だったから当然だと思う。
あのチョコの一件以降同じ学校に進んでいるのでなんとか華織と疎遠にはならずに済んでるけど、いつの間にか良い恋の相談相手になっていた。
華織となんとか一緒にいたいからってそりゃないだろ俺。
毎日後悔していた。