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君の弱点と私の本性
第7章 私の弱点と君の本性



無防備な椿の寝顔を見る度にあの時の学期末を頑張って良かったと思う、…あの時の俺は椿の視界に入りたくてどうにか気を引きたくて必死だった。


同じクラスなのに誰とも会話をせず、授業中に寝たりもしない精巧に作られている機械のような優等生、椿の全てを知りたい好奇心が俺の中で大きくなって、

そんな時に強風に煽られて椿の表情が野暮ったい髪の毛から解放された瞬間。



恋に落ちたんだ。



そこらの女より整っている綺麗な顔、校則を守ったスカートが風に舞い、白くて程よい肉付きの太股、控えめにスカートを抑えて大和撫子のような凛とした美しさ。


それからは登下校に同じ車両に乗って距離を縮めようと試みたが、椿は痴漢によくあっていた。
しかも、相手によっては触らせたまま気持ち良さそうに蕩けた表情をしたり、不快感を露わにして相手の足を踏みつけたり、

俺だけが知っているであろう、椿の弱点を知る度にどんどんのめり込んでいった。


そして、俺は死に物狂いで勉強をし続けついに学期末考査で1位になれた。


…椿に声をかけようか迷ってる内に1日が終わって、あの日ほど後悔した日はなかった。




だけど。




俺にチャンスが到来した。




次の日何時もの車両に椿がいた、どうやら俺のことをチラチラ見てるようだ、声をかけようか迷っていたら痴漢にあっていた。


しかし、どうもいつもと様子が違う。


嫌なら足を踏みつければいいのに、そうもせず、かと言って気持ち良さそうにもしていない。

不審に思って近づけば椿の眉間にシワが寄った、片足も少しずつ動かして踏みつけようとしていた。

なんだ、いつも通りか…と思った束の間


身体が勝手に動いていた、俺は痴漢の手を掴んだ。


「おじさん、次の駅で降りてくれない?」



驚いた君の表情は、新しい1面を見つけた気がして、なんだかくすぐったい気分になっていた




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