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白い飛沫(しぶき)
第12章 性の不一致
女性自身がキュッ、キュッっと僕を締め付ける。

ほんとに50歳過ぎの女性なのか?
素晴らしい、素晴らしいよ文江!


彼女が体を上下に動かす度に、
豊満な体の肉がブルン、ブルンと揺れる。

下から手を伸ばし、その揺れる腹の肉、
垂れた乳を揉んでやる。

「あああ…久しぶりよ…
いいわ!やっぱり若い男っていいわ!」


「ほら、下から突いてやるよ。
ほら!ほら!どうだい!」

彼女の重みなどまったく苦にならなかった。
下から突き上げると快感が倍増した。

彼女が疲れてきたのか、動きが緩慢になった。

僕が、僕が上になります。
文江を逝かせてあげます。

彼女を下にして、
若さに任せて高速ピストンをプレゼントしてやる。

「うわあぁ~…ああああ…」

彼女が獣のような声をだしてよがりまくる。

やがて2人に絶頂が襲い掛かる。

「いくわ!いくわ!
あああ、いく!いくぅ~!!」

「僕も!僕も!逝くよ!いいかい?出すよ!」

思いっきり膣(なか)へぶちかます。

そして、つながったまま2人は眠りについた。




僕たちは毎晩、愛し合った。
まるで愛しあっている夫婦のように
一緒に風呂に入り、一緒の寝床に入った。


いつのまにか官能小説の締め切りは過ぎていた。
しかし、後悔はなかった。

僕は文江を愛してしまったかもしれない。
このまま結婚してもかまわないと思った。

そして思い切ってプロポーズした。
彼女はプロポーズを受けてくれると思っていた。
しかし彼女の答えはノーだった。

なぜ?
僕は文江を愛しているんだ!

彼女はやさしく微笑んでこう言った。
あなたにおばあちゃんになる私を見せたくないから…

あなたが男性として一番男盛りになるころには、
私は腰も振れなくなる。

私を愛してくれているのなら、
素晴らしい官能小説を書いて…
それが私の望み…
いつしか彼女は泣いていた。



数年後…

彼女は逝った。

癌だったのだ。
亡くなる前に彼女は言った。

おばあちゃんになる前に死ぬのなら、

あなたと結婚すればよかった。


文江の財産を僕は受け取った。
文江が僕に全てを与えると
遺言状をしたためていたのだった。


文江がいなくなった文江の部屋で、
僕は泣きながら小説を書いた。

彼女との愛の日々を実録小説にした。



その作品が世に認められた…
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