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白い飛沫(しぶき)
第10章 順也と理恵…それぞれの道
一方、日本の順也はというと…


「この店のババアさ、
けっこう、耄碌しているし、わけなく買えるさ」

僕と直樹は、とある雑貨店の前にいた。

店先に並んだ猥褻な成人雑誌を
手に入れるのが目的だ。

僕は百円玉を5枚、握りしめていた。

「さあ、順也。買ってこいよ」

「えっ?僕?」

「お前の金だろ?お前が買うのが当然じゃん」

「ふつうさあ、僕が資金を調達して
直樹が実行するもんじゃないかなあ」

「Hな本を買いたいって言ったのお前だろ?
俺がわざわざ買えそうな店を探してやったんだぜ」

なんかうまく言いくるめられた気がしないでもないが
僕は勇気を振り絞り店先の成人雑誌を手に取った。


「すっ、すいません。こ、これくらさい」

あまりの緊張に呂律がまわらない。
しかし、僕の緊張を尻目に
「あいよ、五百円ね」という退屈そうな声。

震える手で、ババアに百円玉を5枚手渡した。

やった!ついに手に入れた!

かばんに慌てて本を隠し、
僕たちは急いでその店を後にした。
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