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monochrome film.
第2章 1.

「おはようございまーす!」

「…ざいます」


大きい声で挨拶しながら入ってく俺と、正反対に語尾だけちっちゃい声で言う彼に苦笑しながらも現場入りした。
無理矢理、彼を引っ張って他の俳優さんや女優さんに挨拶回りをしてから楽屋に入るとスタッフさんやスタイリストさんがいた。


「湊、あいさつ」

「……お願いします。」


無愛想もいいところなくらいの無表情で挨拶をする彼の代わりに一礼して椅子に座らせるとすぐ眠り始める。


「湊、台本は?」

「…もう完璧」


それだけ返事して本格的に寝始めた彼に少し呆れ顔を見せればスタッフさんやスタイリストさんに笑われた。


「湊さんって西本さんとはちゃんと会話するんですね」

「まぁ…もう15年くらいの付き合いなんで」

「そうなんですか!」


驚いた表情のスタイリストさんに微笑み返すと真宏の事をいろいろ聞かれて、うまいこと交わしながら話を進めていると、楽屋のドアがノックされる音がした。

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