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monochrome film.
第2章 1.
着替えを終えた彼を洗面所に向かわせて髪を整えさせる。
折角綺麗な顔をしているのに、自分への興味がないなんてもったいない。
「渉…」
「なに?真宏」
「…めんどくさい。やって」
ぶすっとした不機嫌顔でブラシを渡されて素直に髪をとかす俺もどうかと思うが、これも俺の特権なのだ。
「髪くらい自分でとかせよ」
「やだよ、めんどくさいもん」
「はいはい」
こんな砕けた話し方をしてくれるのも俺にだけ。
それがただ嬉しい。
「そろそろ行くぞ?」
「うん」
「あ、真宏
携帯忘れてる」
「…いらないけどね」
相変わらず無表情な彼に携帯を渡して、家を出た。
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